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アスファルトのカッター工事で発生する汚泥水はカッター汚泥と呼ばれており、多量の発がん物質が混ざっていることもあるため産業廃棄物として処分しなければいけません。側溝などに流すと生活環境に影響を及ぼすこともありますし、違法行為で罰則対象となります。ここでは、カッター工事で発生する汚泥についての概要と、適切な処理方法について紹介します。
カッター工事をするときに粉塵が舞うことを防止するために水をかけながら作業します。カッターにかけた水はアスファルトの粉などが混ざった汚濁水であり、これが「カッター汚泥」と呼ばれているのです。
カッター工事でアスファルト舗装を切断するとき、粉塵飛散防止とカッターの焼き付け防止を目的として水をかけます。カッターにかけた水は削れたアスファルトの粉や骨材粉が含まれた「カッター汚泥」となるのです。
カッター汚泥は、道路工事だけでなく橋やトンネルなどの土木工事、ビルや住宅のコンクリート壁・床を解体する建設工事でも発生します。
ちなみに、カッター工事には湿式工事と乾式工事があります。カッターブレードに水をかけるのは湿式工事で汚泥が発生しますが、水を使わない乾式工事は汚泥ではなくがれき類として処理することになります。
カッター汚泥には、アスファルトやコンクリートの粉塵や土砂石などが混ざっているだけでなく、ヒ素や鉛、カドミウムなどの物質も含んでいる場合があります。このように汚泥はアルカリ性が強く発がん性物質も大量に含まれているため、そのまま流すのは非常に危険です。
河川に流れたり大気中に飛散したりして環境や生態系へ影響を出さないためにも、適切な処理をしなければいけません。
環境省と国土交通省は、2012年3月にカッター汚泥を適正に処理するよう通知が出ました。カッター汚泥が出たときには、地面に浸透したり側溝に流れたりしないようポンプで吸引しなければいけません。回収した汚泥は、蓋つきのドラム缶、ペール間などで運搬します。
実際に処理を行うときには、専門の産業廃棄物処理業者に依頼します。処理の流れがこちらです。
カッター汚泥は自治体によって「汚泥」として処理する場合と、「汚泥」と「廃アルカリ」として処理する場合があるため確認しておきましょう。
産業廃棄物を側溝に流すなど不法に投棄した場合、罰則の対象となる可能性があります。
※参照元:環境省「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」 (https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000137 )
カッター汚泥は水を使ったカッター工事で出る汚濁水のことであり、アスファルト粉塵だけでなく多量の発がん性物質を含む危険な液体です。産業廃棄物として処理することが法律で定められており、河川に流すなど不法投棄をすれば罰則の対象となります。
環境や生態系への影響を避けるため、カッター汚泥は流さず回収して産業廃棄物処理業者に委託し、適切に処理するようにしましょう。